2013年に新工場を稼働
ニシダ精機株式会社の創業者であり現会長の西田 昇は、1950年代のプレス技術草創期に鍛圧業界に身を投じ、プレス機械のみならず板金加工機、各種周辺機器等の設計に関ってきました。世界をリードする日本の塑性加工技術の変遷に関与し、その発展に挺身してきた技術者でもあります。プレス技術を深く掘り下げてきた開発実績とその幅広い経験は、1975年に設立した弊社発展の大きな原動力となりました。
その後、順調に業態を拡げ、2013年に相模原市内に約6000㎡の土地を購入し新工場を竣工。新工場はJR相模線南橋本駅に近く、圏央道(首都圏中央連絡自動車道)にもアクセスする絶好のロケーションにあります。
現場主義で蓄積したノウハウ
ニシダ精機は「自動化をトータルに考えるプレスエンジニアリングの先進企業」を目指しています。2001年に後継した現社長の西田浩高もまた現場主義に徹し、日々高度化するプレス加工のソリューションをトータルに提供する顧客第一主義の経営を貫いています。
単に装置や機器をご提供するのではなく、お客様の現場に入って課題を一緒に洗い出し、コストパフォーマンスの高いシステムを構築するということを創業以来一貫して行ってきました。発生する課題は現場ごとに異なります。それだけに現場で起きた問題点は現場で解決しなければなりません。その要求にきめ細かく対応してきたことが、結果的に私共のノウハウとなり大きな財産にもなっています。
トランスファユニットで高い実績 - 納入数は1000システム超え
もともと弊社はプレス用自動化機器のトータルメーカーとして、トランスファフィーダ、ディスタックフィーダ、プレス用ロボットフィーダ、シートフィーダ、コイルラインフィーダ、レベラーフィーダなど充実した製品のラインナップを図ってきたました。そして、あらゆる自動化のニーズに対応してきたことが、プレス自動化に欠かすことのできない基本アイテムであるコイルシステム、ロボットシステム、トランスファシステムの重層的なシリーズ機を完成させる大きな原動力となりました。
1980年初頭には、ロボットシステムとNCレベラーフィーダのシリーズ化を完了。均一な大量生産においてより効率のよいプレス加工を求められるニーズの変遷のなかで、加工領域が広く、生産性と応用性の高いトランスファシステムの開発に最も注力してまいりました。
1990年代からは、トランスファシステムへの取り組みを本格化。シート材以外にも熱間ならびに冷間鍛造用トランスファフィーダ、丸棒・パイプ用トランスファマシンなど幅広い実績を作りました。
そして現在、2次元・3次元とも対応性・機能性に優れたサーボトランスファを主体とし、創業以来1000システムを超える納入実績になりました。
これまで10トンから4600トンまでのシステムを手掛け、小型システムの3次元動作では200spmの連続運転を実現。さらには素材搬送のフィードバー断面が250mm×250mmに達する大型システムやクロスバータイプなど、お客様の多岐にわたるご要求にお応えしてきたことにより弊社のエンジニア力が高まり、近年は“難しい加工はニシダに”というご評価をいただいております。
デジタルトランスファプレスの開発を本格化
2006年より、デジタルトランスファプレスの開発・製造に着手。MF-TOKYOに出展しご注目いただきました。プレス加工設備全体のエンジニアリング(開発・製造・販売・コンサルティング)を行うなかでトランスファユニットのさらなる機能充実とラインナップの拡大を図っています。
写真1はモータケース、バッテリーケースなど深絞り多工程製品に特化した250tonトランスファプレスで、写真2は加工域を広げ、高生産性と省エネを特に追求した次世代型の60tonトランスファプレスです。写真3は300tonの3連ライン、写真4は高機能化、高精度加工の新時代ニーズに適応し、剛性強化と加工音の低下を徹底追及したフレーム構造を持つ300tonトランスファプレスになります。
いずれも全軸サーボコントロールによる構成で、従来にない自由度の高いシステムと滑らかな動作を実現しています。そして独自開発のコンピューターシステムによりコントロールの範囲を拡大し、細部に至るまでフルシンクロナイズさせていることが大きな特長です。また構成は、お客様の加工仕様にフルフィットさせるカスタマイズ仕様となっています。
お蔭様で受注も順調に推移しており、引き続きトランスファ加工を革新し、プレス成形の新たな時代を切り拓いてまいります。